ふぐの毒

ふぐは、関西地方では別名「てっぽう」と呼ばれております。当たれば死ぬという意味からきているようであります。

ふぐの毒は、テトロドトキシンと呼ばれる無色、無臭の神経毒であります。人間の致死量はテトロドトキシンとして0.5~1mgといわれております。症状としては、テトロドトキシンが体内に入ると、先ず唇、舌、指先等に痺れが起こり、それから知覚麻痺、運動麻痺、言語障害、呼吸困難、血圧降下などをきたしてきます。意識は死の直前まではっきりとしているようで、呼吸停止により死に至ります。

これといった治療法はありません。痺れ等に気がついたときには早急に、食べたものを吐き出させること、近くにある水等を大量に飲ませ嘔吐を繰り返し胃の中を洗い流すことが大事であります。それに呼吸を確保することが重要であります。くれぐれも砂の中に埋めてしまうというようなことはなさらないで下さい。

しかしながら、国内19都道府県では、厳しいふぐの条例によってふぐの取り扱いは厳重に管理されております。ふぐ処理師の資格をもった者しか販売加工は行えない制限がされております。ふぐを食す文化が無い地方や、一般の素人の方が調理して、毎年ふぐ中毒にかかる事件がおきております。

山口県には3000人以上のふぐ処理師が登録されており、他の都道府県よりも厳しい条例で管理されております。

本場下関のふぐを安心してご賞味いただきたいと存じます。